インフルエンザ脳症は主に5才以下の乳幼児に発症する死亡率の大変高い病気です。乳幼児を持つ方はぜひ知っていて下さい。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザにかかった乳幼児が発熱中に突然痙攣や、意識障害を発病する、大変重い合併症です。年間、100〜200人のインフルエンザ脳症の報告があります。脳症は主にウィルスが脳内に入り炎症を起こすものです。1才児をピークとして5才までの小児に発症リスクが高いと言われていて、死亡率は約30%で、25%の子どもに後遺症が残るというデータがあります。中には日常生活に支障をきたすような重大な後遺症が残ったり、死亡する場合もあります。インフルエンザの発症から平均1.4日で脳症が発生すると言われているので、2〜3日後に痙攣、異常行動、意識障害などがある場合はインフルエンザ脳症の疑いがあるので、すぐに医師に診断してもらう必要があります。
繰り返しになりますが、インフルエンザ脳症の主な症状は痙攣、異常行動、意識障害です。痙攣はガクガク、ピクピクした動きで本人の意思とは違うことが直ぐ分かる動きです。数分から数十分続くものまで、個人によりさまざまで、回数も1回だけや何度も繰り返す場合もあります。
異常行動とは、手足に力が入らず立つことも、おんぶされることも出来ないような状態であったり、逆に狂ったように暴れたりすることもあります。動物やアニメなどのキャラクターが見えるような幻覚を含めて意味不明な言動もあります。
意識障害は目の焦点が定まらず、もうろうとした状態で、叩いたりつねったりしても痛みに反応しないことや、耳元で大きな声を出しても音に反応しない場合があります。
インフルエンザ脳症ガイドラインは厚生労働省のインフルエンザ脳症研究班が2005年11月に作成したものです。その最大の目的はインフルエンザ脳症の対策、特に診療ガイドラインの作成とそれを普及させることです。
インフルエンザ脳症は主に5才以下の乳幼児に発症し、インフルエンザ発病後の急速な病状の進行と予後の悪さを特徴とする疾患であるため、小さな子どもを持つ親の関心も高く、社会的に大きな注目を集めています。このような状況のためインフルエンザ脳症ガイドラインの作成が必要となりました。
このインフルエンザ脳症ガイドラインは医療に携わる者だけではなく、乳幼児を持つ親も読んでおくことをすすめます。26ページと少ないし素人にも十分読める内容になっています。インターネットで「インフルエンザ脳症ガイドライン」と入れて検索してみてください。直ぐに出てきます。